税金には納付期限があります。いつまでも待ってくれるわけではありません。支払わなかったらどうなるのでしょうか。記事にしてみました。ご参考まで。
すぐに財産差押とはならない
税金といってもその種類はたくさんありますよね。我々のように税金の仕事に携わっている人間であればそれぞれの税目について納期限が頭に入ってますが、一般の方には難しいでしょう(関心も薄い)。書類が送られてきたような気がするけど、どうしたっけ?となって中には期限が過ぎてしまうことだって…。
不安を感じるのであれば口座振替により根本的な問題解決を図りましょう。個人に係る税金の多くは口座振替が可能です。一方、法人は何らかの形で税理士が絡んでいるはず(税理士関与率90%弱)。アナウンスがあるので問題なし。
ただ、うちには税理士なんて付いてません!という方もわずかながらいるので納付漏れがあったら、を書きます。ドラマや映画で税務職員が資産価値のあるものに 黄・黒のテープを貼り付け、差し押さえた旨を明らかにしている場面を見ます。けっこう強硬的なんだね、と思いませんでしたか?
ただし、この手段が取られるのは最終段階であり、その前段階において様々な方法で納付を促しています。いきなり、強硬手段とはならないので安心してください。納付の催告が必ずあります。
どのような催告がある?
納期限が過ぎても納付がないと電話が掛かってきたり、紙で納付状況について問い合わせが来ます。実務で頻発することはありませんが、電話連絡・紙面での確認いずれも数年に1回ぐらいのペースであります。一番最近の事例を紹介すると納期限3日後ぐらいに電話がありました。
現在でも多くの会計事務所は納付書を顧問先に郵送しているので、納付書は送ったけどクライアント側で納付していないことがあります。納付確認ができないと税務署から税理士に連絡が来ます。税理士が納付書を送ってなかったというケースもゼロではないでしょう。
税務代理の(税理士が申告している)場合は、クライアントではなく会計事務所に直接連絡が来ます。そして会計事務所からお客様に納税確認を取るという流れ。「あ~忘れてました。納付しておきます。」となるのがほとんどです。
概ねこのパターンで終了。税務署からの状況確認を無視する対応は税理士が絡む場面では考えられませんから、私もこれ以降は実際に目にしたことはありません。電話に出ない・紙が来ても対応しないとなれば更に強めの催告である督促状が届くはずです。
※督促状も無視すると差押可能財産の調査が始まります。無視したくないけど、払えないという方は別の方法(免除や猶予)があるので、必ず税務署に連絡して(電話に出て)状況を説明しましょう。
督促状が来ても対応しないと…
ご存知の通り国民には納税の義務があります。インフラ維持の財源として税収は重要で①納付を催告する→②督促状を送付する、という手続きを経ても税金の徴収ができないときには強硬手段を取らざるを得ない、となります。
真面目な納税者を「正直者は馬鹿を見る」とさせない為に、税務署は滞納者を放置することはできないのです。適正・公平な課税を実現することが彼らの役割です。脱税への対応と同じですね。放置することができないので、この段階までくると強硬手段に出ます。財産の差押です。
具体的には督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに、国税を完納しないときは差押できると法律で決まっています。ただ、納税者の財産を片っ端からどんどん差し押さえるということはしません。差押禁止財産が決まっていて最低限の生活保障が図られています。国は鬼ではないという事です。
差押えられた財産は換価(競売など)され、国税等に充てられます。債権者(銀行・取引先等)がいれば債権者にも配当されます。ちなみに不動産競売は市場価格よりも低い金額になることが多い為、滞納者には不利です。不動産屋さんは常に競売物件に目を光らせています。それだけ競売は魅力的という事でしょう。安く仕入れられるという意味で。納付が困難な方は猶予制度の利用を検討してみてください。
おわりに
コロナウィルスによって事業に甚大な損害を受けている経営者さんもいるでしょう。払いたくても払えないという方もいるはずです。この状況は昨年から続いているので昨年も赤字、今年も赤字という事であれば多額の税金が発生することはないはず。 昨年所得をベースにする個人住民税や個人事業税なども発生しないので。
※もちろん赤字が続けば事業の継続には支障があります。
ただし、赤字でも発生する税金(例えば消費税)もあります。資金繰りが厳しいときは猶予制度の利用を検討してください。財産状況によって猶予・分割払いなどの対応してもらえます。国税庁のリンクも貼っておきます。
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan.htm
同調圧力が強い日本において国民の義務を守らない人(免除や猶予の権利を持つ人も含む)に対し厳しい視線が注がれてしまう為、本当の限界がくるまで我慢してしまう人が多い印象あり。なんなら限界を超えてしまう人もいます。ビジネス的には早期に手を打った方が軽傷ですみ、復活できる可能性も高いです。
法律で認められた制度を利用しているだけ。恥ずかしいことは何一つありません。事業を継続する為に必要と判断したなら臆する必要なしです。淡々と手続きを進めてください。先日DaiGoさんの生活保護についての発言にある通り、差別は無くならないので辛いところではありますが…。
※DaiGoさんを攻撃するつもりは全くありません。彼だけが特殊な考え方の持ち主ではないと思ってます。私だって気付いてないだけで偏見はあるかもしれない、と思ってます。発言する際には注意します。
今日はここまで、また次回も宜しくお願いします!
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