保険ってどうですか?

税金

規制が厳しくなってきた保険業界、現在どうなっているのでしょうか。私の意見は今も昔も一貫しています。「節税や投資には向かないけれど、保障が必要と感じるならどうぞ」です。記事にしてみました。ご参考まで。

保険に何を期待しますか?

皆さん保険に何を期待していますか?「節税です!」という方は、残念ながら節税になっていないので認識を改める必要があります。100万円の生命保険を支払った場合の会計処理の一例(1/2損金の場合)を示します。

保険料50万円/現金預金50万円
●保険積立金50万円/現金預金50万円

保険料50万円の部分が経費になって節税できる!と考えているかと思われますが、解約返戻金がありますよ。100%の返戻率だったとすると会計処理は下記です。

●現金預金50万円/雑収入50万円
●現金預金50万円/保険積立金50万円

解約時にしっかり収益計上がなされるのです。この時の税金は多くなります。つまり、支払った期の税金が安くなるだけなのです。節税になっていませんよね。

※現在100%超の返戻率となる保険商品は少ないはず。ほぼ100%未満です。

ルール変更があった

支払った時点で経費になって、支払合計より多くなって戻ってくる。そんなイメージを持っている社長も多いのではないでしょうか?残念ながら現在そのような保険商品は少ないです。2019年通達改正が入った影響もあるかと。

現在返戻率が高い保険は資産計上(保険積立金)が必要であり「支払った時に経費になる」の部分に改正が入っています。節税(厳密には課税の繰り延べ)としての役割を期待しているならば魅力的とは言えない商品になりました。

また、保険会社の方によれば現在「節税」という言葉は禁句のようです。国からの指導があったとのこと。当然ですよね、上述の通り節税になっていないわけですから。保険は節税になるから、と言って販売するのは消費者に間違った情報を基に意思決定させていることに(詐欺?)。

現在の状況は課税の繰り延べができない、できても限定的で返戻率は低い、というのが真実です。生命保険を節税商品(厳密には課税の繰り延べ、2回目)として活用することは難しくなったと感じます。投資商品としても返戻率100%未満、仮に100%超だったとしても長期投資に対するリターンとしては物足りません。私なら別の投資商品に投資します。

※ちなみに2019年通達改正があったからではなく、改正前から「節税」にはなっていません。

退職金と相殺できるって聞いたんですけど…

保険営業トークとして多いですよね。こちらも皆さんは得していません。保険契約をしなければ得られないメリットではないからです。退職金は保険金収入と相殺しなくても他の利益と相殺できます。保険と相殺すればその機会が失われる(他の利益と相殺できない)だけです。

適正な退職金支払は保険金の入金があろうが、なかろうが費用として認められます。費用として認められる=税額を減らす効果があるわけです。この費用と相殺可能な収益が「保険金収入」だけに限定されるわけではない。この点をしっかり認識して営業トークを聞いてください。将来発生する退職金への備え(投資商品)としても魅力的ではない、は上述の通りです。

うちの会社は単年で退職金と同額以上の利益がでそうもないし、相殺する為の保険金収入があった方が良いのでは?と思うかもしれません。…が、会社が存続するなら問題ありません。赤字は10年間繰り越せます。10年後の利益まで考慮しても相殺しきれないほど高額な退職金であれば検討に値します。

おそらくそんな会社は無いでしょう。10年後の利益まで食いつぶす退職金出せますか?会社の資金繰りも心配ですし、不相当に高額として否認される恐れもあります。

おわりに

いかがでしたか?

私も開業当初に税理士会を通じて(飲み会)知り合いになった保険営業マンの方がいました。相性がいいと感じたのでススメられるがまま(他の税理士さんも契約していた)に保険代理店契約を締結しました。

ただし、私と営業マンの相性はお客様に全く関係ありません。あくまで、提案する商品(保険)がお客様の為になるか否かが重要です。結果、一度もお客様(クライアント)を彼に紹介することができずに2年が経過し…申し訳なくなって代理店契約を解消させてもらいました。。。

よって、私は保険代理店をしていましたが代理店手数料(仲介手数料)は一度も手にしていません。保険営業の能力はゼロですね、笑。でも、自分の軸を守れたので良かったと思います。自分が良いと思えない商品を推奨する気にはなれませんから。

顧問先社長から保険加入を検討していると言われても上述を説明して「節税にはなりませんよ。投資としてもイマイチです。それでも良いんですか?」と問いかけます。→「私に何かあったら(万が一の為)の保険です」という回答の場合のみ、ご自身で探した保険会社(納得する商品)に加入してもらっています。何かあった時の為、これが保険本来の役割です。

投資商品、節税商品として保険を検討するのはおススメできません。もっと別の商品がありますよ。ネット検索してみてください。私も検証を兼ねて世の中で出回っている節税商品について書きますね。お楽しみに。大体の商品が節税ではなく「課税の繰り延べ(後で収益が計上される)」なんですけどね。

今日はここまで、また次回も宜しくお願いします!

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