間違ったり、忘れたりしたら?

税金

人間、誰しも失念や間違えってありますよね。確定申告でこのような事態が発生した場合のルール、勿論用意されています。今回はそのルールについて記事にしてみました。ご参考まで。
※時間が過ぎれば過ぎるほどペナルティーは大きくなります。もし、気付いたのならば即対応しましょう!

少なく計算してしまった…

売上の計上漏れやプライベートな経費を間違えて事業用に含めてしまったときなど、本来の所得よりも確定申告金額が少なかった場合は、「修正申告」をします。

間違えに気付いたけど、ほっとけばいいんじゃない、面倒だし…はおススメしません。仮に、その間違えを税務調査で指摘されて修正申告をする場合には、過少申告加算税というペナルティーが追加されることになります。追加納税額の10%~15%をプラスして支払うことになり、「面倒だからいいや」とほっとけるレベルの金額でなくなる可能性があります。

調査がなければバレないこともあるのでしょうが、それを期待するのも…と思います。個人的には確定申告に限らず、後ろめたい気持ちを抱えながら生きていくのはメンタル的にドキドキしてしまって嫌な性格です。同じ気持ちになりそうな方は、間違えに気付いたら正直に申告しなおしましょう。間違えは冒頭でも言いましたが誰にでも起こりうることです。

多く計算してしまった…

逆に、もっと経費計上できるものが見つかった、所得控除受けられたのに忘れた…など、本来の所得よりも確定申告金額が多かった場合は、「更正の請求」をします。

こちらは、税金を多く納めてしまった話です。面倒だからいいや、となっても税務署的には特に問題ありません。ただし、納税者である皆さんにとっては納めすぎた税金が戻ってくる可能性があるのに、それを放棄することになるので損してます。申告期限から5年間という長い期間が設けられているので、どこかで時間を作って更正の請求を検討してみては如何でしょうか?

皆さんの感覚も同様だと思ってますが、還付額がたったの数百円とかでしたら「面倒だからいいや」でよいのではと思います。調べる、書類を書く(入力する)、請求する、という一連の作業に係る時間が皆さんから奪われることになります。その分、本業に充てた方が有意義かもしれません。

顧問契約ありの場合です。税理士のミスであれば当然ながら無償で更正の請求を行いますし、原因分析をし、今後そのような事態が起こらないよう説明責任を果たした上で、要らないかもしれませんが…謝罪させてもらいます。一方で、お客様都合(申告書作成時に資料提供がなく、後々なって出てきた、など)ですと、追加料金が発生することが多いです。こちらの費用と比べて還付額が少なければ、自分で請求するor諦める、という対応になるでしょう。

忘れた(無申告)…

申告期限(通常は3月15日)までに申告できなかった場合は、「期限後申告」をします。自ら期限後申告を行う場合と税務署から指摘を受けてから申告を行う場合ではペナルティーが変わるので気付いたなら早めに申告をすべきです。

申告が遅れてしまう原因は様々あるかと思いますが、多くの方が言うのは「忙しかった…」です。無申告に対しては期限内に申告を行う人との公平性を考慮してペナルティー(無申告加算税)が設けられています。また、2期連続での無申告は青色申告の承認が取り消しとなってしまいます。どちらも大きな罰です。当該罰を受ける覚悟で申告をしないのは個人の選択(自由)であり、他人がどうこう言う問題ではありません。…が、「期限内にやっておけばよかった…」と後悔している方が多いのも事実。どんな罰なのか知らないのが原因かと思ってます。念のため下記に記します。

無申告加算税は税務署からの指摘で申告した場合は、納付すべき税額の15%~20%が課されます。一方、自分で忘れたことに気付き申告した場合は5%です。かなり率が違いますよね。自ら申し出てくれた人には、罰を小さくしているわけです。冒頭でも言いましたが、気付いたら即対応した方が良いということです。

青色申告の承認の取り消しについては、青色申告者に認められている様々な特典が受けられなくなります。青色申告の特典については以前の記事にしました。ご参考まで。
https://tokunagazeirishi.com/blue-declaration/
これらの特典を活用している方は2期連続の期限後申告は絶対避けるべきです。65万円控除がなくなるのも痛いですが、専従者給与を活用している方は税負担が大きく変わってしまいます。

おわりに

一律で3月15日期限、個人事業主の大きなデメリットです。法人(株式会社や合同会社など)と違い、決算日を自由に選ぶことができません。個人事業主はすべからく1月~12月の所得(儲け)を翌年3月15日までに申告する必要があります。1月~3月上旬に繁忙期を迎える方にとっては酷な話…。

自分では手に負えないから会計事務所に依頼しようと問い合わせても、新規の個人事業主さんの依頼は受けていません、と言われることもしばしば。私も勤務税理士時代にたくさんお断りしました。開業後も税理士紹介会社に登録していないのに、個人事業主さんの確定申告を受けてくれませんか?という依頼が紹介会社から山ほどきます。紹介会社に登録している税理士さんだけでは回らない依頼が来ていると予想されます。私は、社長に直接会って話を聞きたい派なので一度も受託してません。紹介会社の情報のみで果たしてその情報に信憑性があるのか?どんな方か?作業量は?報酬に見合う?など、とても、とても不安で…。私みたいな税理士はたくさんいると思います。紹介会社を通さず直接依頼(ホームページなどから)してみるといいかもしれません。

そもそも、何故せっかくの依頼を断わる?
それは会計事務所サイドの事情です。既に確定申告期の仕事は予約で埋まっています。予約の多くは顧問先法人代表取締役(社長)やその親族の確定申告。顧問先(得意先)なので率先して受ける必要があるし、①普段から情報共有できている②おおよその作業量も把握できる、ので計画が立てやすいからという事情もあって、優先的に受けています。新規ご依頼を引き受けようとすれば、期限(3月15日)はズラせないので職員に負担を掛けることになります。時間外だったり、休みを潰して、だったりするわけです。

ウチは元気な職員ばかりで時間外も休日出勤も全然OKです!という事務所は少ないでしょうし、コンプライアンス的にそのような事務所は問題です(品質も?)…。時間外手当や休日出勤手当に見合う報酬をお客様から追加で頂けるのか?と言えば難しいのが実情。一律の期限(3月15日)が設けられている弊害でしょう。残念ですが、お断りするしかありません。

このような事情もあってか最初から法人でスタートする方も増えていますね。設立費用(主に登記費用)を許容できる方は検討してみても良いかもしれません。

本日はここまで、次回も宜しくお願いします!

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