投資不動産買っても相続対策にならないんですか?

2027年が近付いて来ましたね。令和9年から貸付用不動産の財産評価に係る改正が入ったので記事にしてみました。ご参考になれば幸いです。

賃貸物件を買うと相続税が安くなる?

「賃貸マンションを買うと相続税が安くなる」という話、一定水準以上の財産や所得のある方なら一度は耳にしたことがある(営業されたことがある)かと。

なぜ相続税が安くなるのか?それは財産評価基本通達で決められた評価額と、実際の市場価格との差が原因です。現行ルールでは、人に貸している土地・建物の評価額は時価(実際の売買価格)よりも低く計算されるのです。

土地は路線価、建物は固定資産税評価額をもとにするため、もともと時価より低めに出ます。そこからさらに人に貸していることを理由に、借家権割合などの分を差し引くことができます。その結果、たとえば1億円で買った物件でも、相続税の評価額が5,000万円台まで下がるケースがあります(あくまで一例で、物件によって異なります)。現金のままなら1億円で評価されるものが不動産に換えただけで大きく相続財産を減らすことができたのです。

ただ、相続直前に高額物件を買って評価を圧縮する手法に国税側も黙ってはいません。令和4年4月最高裁判決は相続直前に購入した不動産について通達どおりに評価するのは不適当として財産評価基本通達総則6項による評価(時価評価)が認められました。

相続前5年以内に取得した貸付用不動産は「時価」で評価

令和4年4月以降から現在まで最高裁判決が出たことにより専門家も非常に困った状況になっていたのです。。。財産評価基本通達総則6項は個別事情で判断されるので「どこからがアウトなのか分からない」という予測可能性の問題がありました。

そこで、令和8年度税制改正大綱で貸付用不動産の評価ルールをあらかじめ明確にする見直しが盛り込まれるという流れに。令和9年からは被相続人などが課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得または新築した一定の貸付用不動産については課税時期における通常の取引価額に相当する金額で評価する、という改正が入ります。

取得から5年を超えて保有している物件はこれまでどおりの評価となります。今回の見直しはあくまで「駆け込み取得」に狙いを絞った改正といえます。贈与にも同じ考え方が適用される点も、見落とさないようにしましょう。

おわりに

また、富裕層を狙った増税が一つ施行されますね。。。

平成27年以降は基礎控除が下がったから相続税が掛かる人は増える!と様々な雑誌で紹介され「相続対策」なる記事が多数出ています。しかし、実際は令和6年死亡者数に対して相続税を払う世帯は上位10%程度。9割の人には関係がない税目です。

よって、増税しても「上位10%の人だから良くない?」という感覚の人が多いわけです。一般的には政治家もお金持ちですから一定程度の歯止めは掛かっているのかもしれませんが、選挙対策という観点からみれば多数派意見を取り入れないと当選できませんからね。難しいところです。

今回の増税は所得税減税や消費税減税を賄えるものではありません。ただし、相続税は資産の再配分と格差の固定化防止という目的もある為、「上位10%の人だから良くない?」は一定程度目的に合致してしまっているのかもしれませんね。

今回のケースも相続対策はお早めにという結論です。「駆け込み取得」という手法は防がれることになりました。

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