社宅にするといいって聞いたんですけど。

税金

個人事業主・フリーランスの方は対象外です。今回は法人経営者さん向けの話になります。個人事業主・フリーランスは事業用でない自宅部分を経費にすることはできません。法人限定の話として聞いてください。ご参考まで。

会社に賃料を支払います

皆さんの周りにも社宅に住んでいる友人がいるかと思います。私の同期にもいました。彼らはタダ(無料)で社宅に住んでいるでしょうか?答えはタダではありません。なぜなら給与課税の問題があるからです。

国税庁タックスアンサーでは「1か月当たり一定額の家賃以上を受け取っていれば給与として課税されません」となっています。逆に言えば一定額未満であれば給与課税しますよ、という事です。無料の場合は当然一定額未満に該当するので給与所得に加算されて所得税や住民税が掛かります。

給料として課税されてしまうと住宅手当と同じ。わざわざ会社名義で借り上げたりする手間を考えるとメリットがありません。よって、一定額の家賃以上を会社は受け取る必要があるのです。※この制度は役員(社長など)も利用することができます。

社宅の区分について

私が受ける相談はほぼ100%役員さんからなので従業員の社宅家賃について今回省略します。
まず、社宅として利用する物件の床面積を確認してください。細かい規定はここでは書きませんが広すぎると社宅にするメリットが低くなります。

1つ目のポイントは240㎡を超えるかどうか。超えるといわゆる豪華社宅に該当し通常支払う使用料が基礎となって受け取る家賃が決定されます。他の方法に比べると高めの金額になります。2つ目のポイントは戸建て132㎡以下、マンション99㎡以下であるかです。該当すると小規模な住宅と判定されます。こちらが最も賃料を安く設定できる区分になります。

小規模な住宅でなく、豪華社宅でもない物件が真ん中の区分です。全部で3つの区分。住宅購入の経験者又は購入を検討したことがあるという方ならご承知の通りマンション99㎡といったら結構な広さです。小規模な住宅??ですよね。ここを見ても税法はかなり納税者に寄り添ってくれていると思います。

具体的な計算方法は次のブロックで。

一定額の家賃(賃料相当額)とは?

小規模な住宅であれば下記①~③の合計になります。
①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
②12円×(その建物の総床面積㎡)/3.3㎡
③(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

小規模住宅に該当しない場合(上記で言うところの真ん中の区分)は下記。
【自己所有の社宅】
次の①と②の合計額の12分の1が賃料相当額になります。
①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12% ※マンションの場合10%
②(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6% 
【借り受けた住宅等】
支払う家賃の50%の金額と、自己所有の社宅と同様の計算をした賃料相当額のいずれか多い金額が賃料相当額になります。

おわりに

この仕事をして結構な年数が経過してます。社宅についてもいろいろな方の相談を受けてきました。中には豪華社宅(240㎡超)にどうしてもしたいんだ!という社長もいます。税負担を軽くすることだけが全てではないので無理に床面積に縛られる必要はないと思ってます。

ご自身で築いた財産です。使い道は自由に決めて頂いて構いません。ただ、豪華社宅にならないギリギリのところを狙ってという相談も結構あるので一つだけ注意点を述べますね。

タックスアンサーでは「床面積が240平方メートル以下であっても、一般に貸与されている住宅等に設置されていないプールの設備や役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するものについては、いわゆる豪華社宅に該当することとなります」と書かれています。

太線部分がグレーゾーンに該当します。ズバリ書いてあるプールがあれば豪華社宅だとみんなわかりますが「等」や「役員個人のし好」が何なのかは分かりません。ルール上明確に線引きできない部分です。

例えば、楽器を演奏する為のプレイルームとかどうでしょう?私は絶対に大丈夫です!とは言えません。ただ、絶対にダメだとも…。リスクはあるがどうしますか?というのが専門家からクライアントへの提案になるかと。

本文でも書きましたが99㎡(木造戸建てなら132㎡)までは小規模だ!と国税が言ってくれてます。一般国民目線の「小規模」よりかなり緩い設定だと思います。個人的にはその範囲内で収めることをおススメします。私が言うまでもなく経営者さんのほとんどが収まっていますけどね。※首都圏データなので偏っています。私見として聞いてください。

本日はここまで、次回もまた宜しくお願いします!

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