社長「徳永さん、法人作ることに決めました!」→私「おめでとうございます。会社の種類は何にしますか?」→社長「…ん?何ですか?それ…」
会社には株式会社だけでなく何種類かあります。最初にどの会社形態でスタートするのかを決めなくてはなりません。記事にしました。ご参考まで。
ほとんどのケースで株式会社か合同会社の2択
私の顧問先にはNPO法人さん(非営利目的)もいますが、一般的には営利目的企業が多く選択肢としては株式会社か合同会社になります。有限会社という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、現在新規で有限会社を設立することはできません。2択なんだな、と思って頂ければ結構です。
皆さん、どちらにしてるんですか?=どっちの方が有利ですか?と聞かれます。
税負担上の有利不利は特にありませんが、多くの経営者さんは株式会社の方が広く認知されていると考えています。この点、私も同感です。
合同会社はアメリカのLLC(Limited Liability Company)を参考として2006年新会社法の下、導入された比較的新しい会社形態であり認知度という点では株式会社には見劣りします。特に認知度なんて気にしないという経営者さんもいるので、自社の状況を確認してみてください。
また、人によっては「どうでもいいよ」と思うであろう点になりますが、、、合同会社の代表は代表取締役ではなく代表社員と言います。名刺にもそのように書くので「社員?なんか従業員みたいで嫌だ」という経営者さんも稀にいます。認知度・役職名称を気するなら株式会社にしましょう。
コストを気にするなら合同会社
税理士の守備範囲である中小企業において合同会社が株式公開(上場)できない点はあまりデメリットになりません。初回面談時から上場を見据えてやっています!という経営者さんには株式会社を勧めていますが15年仕事をしてきて片手で収まる程度の頻度です。
①安く会社を作りたい
②認知度は気にしない
ということであれば合同会社をおススメします。特に①を強く希望する方に。
定款認証がいらない・登録免許税が安いので株式会社の1/2ぐらいのコストで済むはずです(司法書士報酬も含めて)。また、役員の任期がない為、役員重任登記などの登記費用が掛かりません。株式会社は役員の任期があり登記費用が定期的に発生します。
司法書士報酬と上述しました。会社設立代行は税理士はできません。専門家は司法書士。ただし、必ず依頼しなければならないということではありません。時間に余裕があれば独力で手続可能だと思います。会社設立に限らず税務申告だって自力でやろうと思えばできます。専門家に任せるor自分でやる、は皆さんの価値観に係る部分なのでご自身で判断して納得いく選択をして頂ければと。
※税理士事務所に会社設立相談をしてもOK。必ず知り合いの司法書士さんがいます。私もいます。司法書士報酬についても会社設立は事務所間で大きな差は無い、という感覚です。顧問税理士を依頼する予定があるなら紹介してもらうのがスムーズです。逆もしかりで会社設立依頼した司法書士さんから税理士を紹介してもらえます。
※合同会社で親族を非常勤役員にしようと考えている方は注意が必要です。社会保険への加入を求められるケースがあるようです。管轄の年金事務所に事前確認した方が良いでしょう。
最初に決めることがある
いくつか会社を作るにあたって決めなければならないことがあります。
・決算日をいつにするか
・資本金をいくらにするか
・役員は何人にするか
・何株発行するか、誰が所有するか
などは今後の会社運営に影響を及ぼすので重要です。後からの変更も可能ですが、手間とコストが掛かります。最初にしっかり設計した方が良いです。
また、会社設立したら税務上必要な届出があるので書いておきます。
・法人設立届出書
・青色申告承認申請書
この2つは少なくとも必要かなと思います。
※従業員さんを雇うのであれば給与関係の届出が追加されます。
青色申告は必須じゃなかったような?と言われれば、その通りですが法人設立して青色申告を選択しない法人をあまり見ません。欠損金の繰越控除10年間だけでもインパクト大なので、青色のメリットはあるでしょう。各種税額控除や特別償却もあります。法人の場合は会計ソフト利用率が100%に近いので記帳の手間は青色であってもさほど変わりません。
期限のある届出については出し忘れにはご注意ください。
おわりに
会社設立は司法書士さん、税務関連の届出・申告は我々税理士です。この他に何かありましたっけ?という話を少々。社会保険があります。社員一人しかいない会社(ひとり会社)であっても法人は社会保険に加入しなければなりません。
・年金事務所(健康保険・厚生年金)
・労働基準監督署(労災保険)※従業員がいれば
・公共職業安定所_ハローワーク(雇用保険)※従業員がいれば
社会保険の代行をする専門家は社会保険労務士さん。司法書士と同様に中小企業がよくお世話になるプロ(専門家)。社会保険の加入・脱退だけでなく、労務関連の相談、助成金の申請、就業規則の作成、給与計算等を依頼できます。自社でやることが難しくなってきた(忙しくなってきた)場合に顧問契約を結んでいます。該当する方は検討してみてください。
「徳永さん、知り合いの司法書士さんいますか?社労士さんいますか?」とよく聞かれます。誰でもいい訳ではなく、私が信頼している司法書士さん、社労士さんはいますか?という意味がそこに含まれていると心得てます。私を信頼してくれているわけで、その期待に応えなくてはなりません。
この点、私達世代は非常に恵まれています。超就職氷河期に大学生活を送った私達世代には士業の同窓生がたくさんいるのです。サッカー部で親よりも長い時間を共にした仲間が同じ士業の世界で活躍しています。彼らは本当に信頼できる専門家(プロ)であり、かつ、誰に紹介しても恥ずかしくないと自信を持って言えます。私のこともそう思ってくれたら嬉しいんですけどね…どうでしょうか、笑。
巡り巡って現在、コロナ禍で就職活動に苦戦している学生も多いでしょう。先輩風を吹かせるつもりはありませんが努力を続けた人は必ず報われていますよ。一部努力しなくても成功してしまう人もいますがそこに期待するのは得策ではないでしょう。現在就活中の皆様、腐らず、焦らず、希望を持って前に進んでくださいね!応援しています。
今日はここまで、また次回も宜しくお願いします!
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