税務調査…好きな人などいないですよね。毎年あるわけでもなく、いつ来るのかもわからない。初めて調査を受ける方は『何を言われるのか不安です。。。』と皆さん言います。情報不足かと思うので記事にしてみました。ご参考まで。
なぜ税務調査する?
確定申告で提出する資料は申告書と決算書です。通帳や領収書などは提出しません。資料の全てを税務署に提出しているわけではないので申告書を見ただけで不正や脱税を見抜れる、ということはほぼありません(後述しますが変だな、確認したいな、と思うことはあります)。
どのように収入を得ているのか、入金サイクルはどうなっているか、経費は仕事に関係しているか、などなど。これらは実際に質問したり、検査しないと分からないのです。だから税務調査をする、となります。
調査対象に選定されたら「もう終わりだ。何か間違えたんだ。」と思う必要はないです。上述の通り申告書を見ただけで不正を発見できるわけではありません。正しい申告をしていても調査対象になることは当然ながらあります。
どうやって対象を選ぶ?
事業者数が多すぎて現在の税務署職員の人数で全ての事業者に対し調査を行うことは不可能です。ある程度対象を絞るという作業をしているはずです。国税庁が公表しているわけではないので、元税務署職員の方の話や書籍など参考にします。
①確定申告書に違和感(おかしな点、不審な点)がある
②不正なことをやっているという情報を入手
③一定期間事業をしていて黒字
④一定規模の事業者(絶対的なものではないが目安として売上1000万円以上)
※①~④私の意見ではありません。
実感として大きく外れていないかなと思います。①については申告書と決算書を見ただけでは不正は分からないと言ったけど…となるかもしれませんね。これは、例えば5期間比較をしてある項目が大きく変動している、同業他社と比較して原価率、固定比率等が明らかにおかしい、などを想定しているのではないかと。③④は正しい申告であっても調査対象になりうることを意味しています。
調査対象になったら
正しい処理をしているならば恐れる必要は全くありません。ただ、うっかりミスとかあるかも、間違ってたらどうなる?めちゃくちゃ叱られて怖いの?と思っている方がほとんどじゃないでしょうか。
怖くないです。税務調査はかなり紳士的に行われます。高圧的な調査に立ち会ったことは一度もありません。間違いがあればそれを認めて修正すればよいだけです(ペナルティあり)。皆さんのイメージしているのは映画とかで出てくるような巨額脱税事件のケースではないでしょうか。国税局査察部(いわゆるマルサ)による強制調査と個人事業主や中小企業が受けるであろう税務署による通常の調査は異なります。
税務調査を断ることはできませんが、日程調整はできます。都合の良い日時を選んで頂いて結構です(現金商売の方は抜き打ち調査もあります)。税理士に税務調査立会を依頼して自分は外出して仕事する、などしている方もいます。
黙秘はできません。質問に対する回答はしなければならず、虚偽の回答はペナルティがあります。
おわりに
経験したことがない場面、自信がない場面において人間はあたふたします。恥ずかしいことではないと思ってます。私も人一倍あたふたするほう。勤務時代、準備期間が極端に短い、かつ、経験なしの仕事とか本当にあたふたしました。現在は年齢も重ね、幾ばくかの経験もしてきたので当時のようなあたふた感は減ったと思います。
税務調査デビュー戦とか今のお客様には見せられません。ただ置物のように座っていただけ。本当に役に立ったの?という感じでしたが、幸い『是正無し』だったので変に自信を持ってしまいました、笑。今でも、社長の「おかげ様で無事調査を終えることができました。ありがとう!」の言葉が忘れられません。
税務調査は準備期間が短く、過去の会計処理を修正するわけにもいきません。できることがあるとすれば、論点になりそう(税務署と見解が分かれそう)なところの根拠資料を用意してざっと復習しておく、ぐらいになろうかと思います。
税務署の言うことが全て正しいわけでない、という点だけ頭に入れましょう。税金の世界ではグレーゾーンと呼ばれる、はっきり線引きできない部分があります。例え税務署と見解が分けれても、あなたが経費性があると思って処理したなら、主張すべきところは主張しないと損をします。そのための根拠資料の復習という準備はとても大切です。
本日はここまで、次回も宜しくお願いします!
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