代表的な資産運用に不動産投資と株式投資がありますよね。どちらが良いのでしょうか?記事にしてみました。ご参考まで。
まずは取引内容の把握から
特殊な事情(私的に応援したい等)がない限り「投資をする=資産を増やす」ことが目的。よって、まずは資産が増える仕組みを理解する必要があります。
不動産投資についてです。
●家賃収入-経費=不動産所得…当該所得に対して所得税、住民税等が掛かります。
※超過累進税率(5%~45%)による。
●売却価格-取得費=譲渡所得…当該所得に対して所得税、住民税等が掛かります。
※分離課税(物件保有期間5年超20.315%・5年以内39.63%)による。
上記2種類の所得(儲け)があれば税金が発生します。
株式投資についてです。
●配当所得…ほぼ源泉徴収あり口座を契約していると思われるので源泉徴収(20.315%)されています。つまり天引きされてます。※申告方法(総合or分離or申告不要)の選択については今回省略。
●売却価格-購入価格-手数料=譲渡所得…当該所得に対して所得税、住民税等が掛かります。
※分離課税(20.315%)による。
上記2種類の所得(儲け)があれば税金が発生します。
いずれもインカムゲイン(不動産所得・配当所得)・キャピタルゲイン(譲渡所得)がありますね。赤字の場合、税金は掛かりませんが資産を増やすという目的は達成されません。
リスクの把握も
投資はリスクを伴います。元本(支払った額)を下回ることもあります。専門家の予測が必ず当たるわけではないのでご注意ください。「投資はあくまで自己責任で」とよく言いますよね。現状自分が取れるリスクを考慮しなければならない。
①元本を保証して欲しい②大きなリスクは負いたくない③投機(ギャンブル)的な投資をしても構わない、などなど。人それぞれ置かれている状況は違うはずです。一般的には扶養者がいればリスク低を好む、若い単身者は大きなリスクをとれる傾向にあります。※収入(給料等)の多寡も関係します。
ネットを見ると不動産を売りたい人達が、株式投資はリスク大・不動産投資は長期投資目的で安定収入が期待できる!とする記事が多く見受けられました。なんとも日本人に好まれそうな響き。特に「安定」が。
悪い不動産業者が示す利回りは計算基礎が大分抜けてます。空室リスク、災害リスクを考慮に入れてないし何より経費計上の見積もりが甘い(意図的?)。賃貸経営には各種費用が掛かるのにこれだけ?と言いたくなる金額です。買ってはいけない物件が存在します。安定的に赤字を垂れ流すかも…です。
誰が情報発信して、どういった目的があるのか?勘ぐりましょう。株式投資にもリスク低の商品(例えばインデックスファンドなど)はあります。ドル・コスト平均法(一定金額を定期的に購入)を併用することで更にリスク分散できます。高配当株を長期保有することによって安定収入だって期待できますよ。商品入替も不動産より容易です。あなたにとっての最適解は株式投資かもしれません。
おわりに
前ブロックをみると不動産投資反対派みたいになってしまいましたね。ただ私はあくまでニュートラルな立場です。特定業界に肩入れしなければならない理由も特にありませんから。
ちなみに勤務時代不動産に係る税務に長い間従事してきました。そして顧問先に大家さん業も多い。宅建士の登録準備も現在進めています。どちらかというと不動産好きですよ、笑。一部良心的でない業者が存在していて不良物件も多く出回っている為、注意喚起のつもりで書きました。
サラリーマン向けに「赤字を損益通算できます!」という誘い文句も良く見掛けます…が、不動産賃貸業の経費計上は税務署が厳しく見ます。管理会社に任せているのに他に経費掛かります?交際費って誰とですか?賃借人と?それ売上に結びつくんですか?プライベートでは?などなど。「どんなレシートでも経費にできる!」といった刺激的なタイトルの書籍が書店に並んでますがそんな訳ないです。
よって、損益通算のみを目的とするならやめた方が賢明です。毎年損益通算していれば目立ちます。調査に行ってみようかという動機を与えることになり、過去に遡って経費否認されれば多額のペナルティを払わされ当初資金計画に支障が出ます。そもそも損益通算を誘い文句にしている物件はおススメできません。収益が見込めない物件の可能性大なので。
逆に言えば収益性の高い物件さえ見つけることができれば長期安定した収入が得られます。相続対策としても株式投資より有効です。ただ、不動産投資についても他の投資と同じく勉強と情報収集は欠かせません。興味があれば早速動いてみてください。儲かっている大家さんの情報が一番信頼できます。セミナー参加で大家さん仲間を増やすのもいいかと思います。
最終結論ですが、迷っているならどっちもやればいいんじゃないでしょうか。顧問先の大家さん達も不動産投資のみに固執しているわけではなく株式投資もやってます。どっちもやることによってリスク分散も図れますゆえ。
今日はここまで、また次回も宜しくお願いします!
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