ご両親が不動産賃貸業を行っていた場合に、アパート・マンション・事務所など建物がある物件のみならず「駐車場」を相続することがあります。大地主さんのケースでよく見ますね。では「駐車場」はどのように評価するのでしょうか?記事にしてみました。ご参考まで。
対象となる駐車場(土地)に路線価があるか?
土地の評価方法には、「路線価方式」と「倍率方式」があります。
「路線価方式」は路線価が定められている地域の評価方法です。近隣に住居がたくさんある地域ならば路線価が定められていると考えてよいでしょう。例えば、私の住んでいる埼玉県川口市では駅からかなり離れた地域で一部「倍率地域」が設定されています。
ただし、駅から遠く離れた「倍率地域」で貸駐車場経営をするケースは極めて稀です。よって今回は路線価があるという前提(路線価方式)で話を進めたいと思います。路線価は国税庁サイトから確認できるので対象地の路線価を調べてみてください。
https://www.rosenka.nta.go.jp/
駐車場の地目は?
土地には地目区分が設定されています。代表的なものは宅地、田畑、山林などです。…で、駐車場は何に該当するかというと「雑種地」に該当します。意味合いとしては他のどれにも該当しない土地ということです。
駐車場、空き地、資材置き場などが雑種地に該当します。ちなみに登記簿上どんな区分になっていようが相続税申告においては現況で判断します。仮に登記簿上「宅地」となっていたとしても現況において建物がなく駐車場として利用しているのであれば相続税申告においては雑種地になります。
貸駐車場経営をしていれば申告しているはずなので現況を把握できないという事はないでしょう。しかし、現在の地目が不明という相談も少ないですがあります。登記簿と比較すると固定資産税明細の方がまだ信用力がありますね。おそらく数年に一度は市区町村の現地調査が入るので最近の地目が記載されているはずです。最新を知りたければ現地確認です。遠方の土地だと大変ですが。
雑種地の評価は?
財産評価基本通達によれば一体として利用されている場合には主たる地目で評価を行うとされているので自宅敷地内にある駐車場、店舗用駐車場などは「宅地」として評価することになるでしょう。今回のご相談は一体利用されていない場合の評価についてです。
算式を示すと→宅地評価額/㎡×補正率-宅地造成費/㎡ × ●●㎡ となります。
※補正率とは形がいびつな土地は評価が下がるのでこれを補正する為の率。
※宅地造成費は国税庁サイトから確認できます。下記リンクは東京都の場合です。
https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r04/tokyo/tokyo/others/d210300.htm
「宅地」評価との違いは造成費を引けるかどうかという点になります。
おわりに
最後に造成費を引けるという話をしましたが実務上は難しいケースが多い…。貸駐車場経営を行うにあたり既にアスファルト舗装や砂利敷にしているケースがほとんどではないでしょうか?この場合、造成する必要はなく基本的に宅地造成費はゼロとなります。
よって、私の経験則からすると駐車場はほぼ宅地と同じ評価となります。アスファルト舗装や砂利敷にした時に不動産所得から差し引く経費(減価償却費)になっているはずなので損しているわけではないが相続税評価においては残念ながら宅地と同じ評価になると思ってください。
不動産繋がりで今年の確定申告について。
税理士相談員として川口無料相談会場に行ってきました(毎年2日ぐらい所属支部で当番が回ってきます)。住宅ローン控除の相談も多く、ここ最近の不動産価額にはびっくりさせられます。我が家が購入したリーマンショック直後の価額から驚きの伸びを見せています。我が家の場合「安い」と感じたから購入したのもほんの少しだけありますが、もちろん「運」の要素が大きい。ここでもガチャが発生してますね…。
今年も無事確定申告期限(3月15日)を迎えることができました。おかげさまで年々忙しくなっていて確定申告については対応できる限界が近づきつつあると感じます。中学生の長女も税理士という職業に興味を持ちはじめてくれていますが、まだまだ父が頑張らないとです。
今日はここまで、また次回もよろしくお願いします!
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