同居とか生計一ってどのように判断するんですか?

税金

各種控除を受けるにあたって国税庁ホームページを見るとよく出てくる言葉です。自分は控除を受けられるの?と迷っている方もいるのではないでしょうか。記事にしてみました。ご参考まで。

同居の判定について

日本語そのままの意味で概ねOK。同一の家屋に住んでいることです。

よく「いつから一緒に住んでないとダメですか?」と聞かれます。法令上で「〇〇日前から」という定めは無いので常識で考えてください。

例えば相続税で大きな減額が受けられる小規模宅地等の特例については相続以前(亡くなる前)に一緒に住んでいなければもちろんダメです。亡くなった後に引っ越してきても一緒に住んでいた(同居)とは言えません。また、介護のための一時的な同居は同居と認められない為、期間が極端に短いと一時的とみなされるかもしれません。

「住民票移せばバレないですよね?」もよく聞かれます。こちら甘く見ない方が良いです。生活拠点がどこにあるか厳しく見られます。同居している期間の水道光熱費の使用状況、通勤定期券など様々な生活情報を取得しようと思えば取得できる手段(権力)を彼らは持ってます。

自分の住民票だけ実家に移し配偶者や子供は現住所のままというケースでは確たる証拠を示さない限り難しいと思います。

生計を一にするとは?

簡潔に言うと財布を同じにしている状態を言います。

所得税基本通達では同一の家屋に住んでいる必要はないとされています。一人暮らしの学生や単身赴任の会社員なども財布を同じにしていれば生計を一にしていると言えます。実家に生活費を送金している場合の父母、祖父母なども同様です。

相続税も上記認識と大枠では同じ。ですが…所得税と相続税(小規模宅地等の特例)で生計一親族に対する考え方が相違するとした判決が令和3年9月に出されました。

被相続人と生計を一にしていた相続人の事業の用に供されていた宅地等に該当する為には、その営まれていた事業によって相続人の生計のみならず、被相続人の生計が維持されていたという関係がなければならない」とのこと。所得税と相続税では立法趣旨が違うから、が理由です。

その土地の上で営まれている事業で「被相続人の生計が維持され」ていないと生計一親族とは言えない!と厳しめの設定になっている点に注意が必要です。

おわりに

私には結婚後に奥さんの故郷で義父母と一緒に暮らしている友人が結構な数います。逆は少ない印象。共働き世帯の増加で子育てに係る祖父母の援助を期待するなら自分(母親)の両親の方がいいという事でしょう。母親に子育ての負担が偏っている状況を鑑みるとこのような傾向になるのかなと思ってます。

当該ケース、同一の家屋に住んでいると言えるでしょうか?同居の判断なんて簡単だ!と思われるかもしれません。…が、落とし穴はあります。2世帯住宅で1階と2階にそれぞれ住んでいる場合はその登記状態によって同居の判断が分かれます。

子供世帯も働き所得を得ている為、両親に負担してもらうばかりでは申し訳ない(しっかり世帯を分けたい)という気持ちで1階と2階を区分登記してしまっているケースが見受けられます。この場合「同居」とみなされず相続税が増えます。

富裕層の方でマンションまるごと1棟を所有し上層階2区画を親世帯と子供世帯でそれぞれ住んでいるケースも同じです。それぞれ区分登記されていれば「同居」とはみなされず親世帯が住んでいる部分のみが特例対象に。

ウチに相続税なんて掛からないから関係ないと思っている方が多いかもしれません。しかし、都心近くにある程度の広さ(2世帯住宅)の土地を所有していれば不動産だけで基礎控除を上回る可能性は高いです。登記を共有名義に変更することをおススメします。

今日はここまで、また次回も宜しくお願いします!

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